8月25日(金)15時現在、台風9号(サオラー)と台風10号(ダムレイ)の二つの台風があります。西側の台風9号は急速に発達しており、暴風域が出現しました。しばらくは同じような所に留まり、発達を続ける見込みです。台風10号は太平洋高気圧の縁に沿って足早に北上する予想で、28日(月)頃には本州の東の海上に達します。▼台風9号 8月25日(金)15時 中心位置 フィリピンの東 大きさ階級 // 強さ階級 // 移動 ほとんど停滞 中心気圧 990 hPa 最大風速 30 m/s (中心付近) 最大瞬間風速 45 m/s▼台風10号 8月25日(金)15時 中心位置 南鳥島近海 大きさ階級 // 強さ階級 // 移動 北北東 35 km/h 中心気圧 994 hPa 最大風速 20 m/s (中心付近) 最大瞬間風速 30 m/s
台風9号 停滞しながらも発達 沖縄に影響も
台風9号は移動に必要な風が弱いためフィリピンの東で進路が複雑になり、“フィリピンの東”と“沖縄の南”の海域を行き来する可能性があります。海面水温や上空の風の流れなどの条件が発達に適しているため、27日(日)までには非常に強い勢力となる予想です。その後の進路次第では沖縄の先島諸島など日本国内に強風などの影響を及ぼすことも考えられますが、まだ予測の誤差がある状況です。日が経つにつれて誤差は縮小する見込みですので、今後の情報にご注意ください。
台風10号の影響は限定的
台風10号は発達前に海面水温が低い緯度まで北上することから勢力はあまり強まらず、暴風域は伴わない見込みです。8月27日(日)~28日(月)にかけて東日本や北日本の東を通過する予想となっています。勢力がそれほど強くないことや、陸地から離れて通ることで、国内への影響は限定的になる見通しです。東日本や北日本の太平洋沿岸の高波や、北海道太平洋側の強雨が現時点での注意するポイントになります。
2つの台風とは別のじょう乱も動向に注目
まだ天気図には現れていないものの、世界各国の気象シミュレーションモデルを複合すると、来週はマリアナ諸島付近に新たな熱帯低気圧の発生が予想されています。かなり発達して9月の上旬に北上してくることを示唆する計算結果もあり、今後の動向を注視すべき状況になりそうです。
台風の名前
台風の名前は、国際機関「台風委員会」の加盟国などが提案した名称があらかじめ140個用意されていて、発生順につけられます。台風9号の名前「サオラー(Saola)」はベトナムが提案した名称で、ベトナムレイヨウからとられています。台風10号の名前「ダムレイ(Damrey)」はカンボジアが提案した名称で、「象」を意味するクメール語からとられています。