ジャニーズ事務所の前社長、ジャニー喜多川氏(2019年死去)による性加害問題で、同事務所の藤島ジュリー景子社長が周囲に社長辞任の意向を伝えていることが31日、毎日新聞の取材で分かった。同事務所は9月7日に東京都内で記者会見を開き、進退などについて説明する見通し。
一連の問題を調査してきた外部専門家による「再発防止特別チーム」が先月29日、ジャニー氏の長年にわたる多数の性加害を認定した。藤島社長の責任について「疑惑を知っていながら調査などを怠った」と指摘し、藤島社長が経営トップである限り「再出発は極めて困難」として退陣を求めていた。
関係者などによると、藤島社長は特別チームのヒアリングを2回受けており、その段階でも辞意を示していた。その一方で、所属タレントの今後の活動を懸念しているという。また藤島社長は現在、同事務所の株を100%保有しているが、今後は会社との関係性がどうなるかが焦点になりそうだ。
問題を巡っては、今年3月、英BBCが報道し、カウアン・オカモトさんら多数の元ジャニーズJr.が実名で被害を告発。これを受け、藤島社長は5月、謝罪動画を公開。だが記者会見を開かず、公の場で説明責任を果たさなかったことが経営トップとして問題視された。また、動画内で「(問題について)知らなかった」と発言したことも批判を浴びていた。【伊藤遥】