岸田首相は25日、いわゆる「年収の壁」の問題に対する支援として、労働者1人あたり最大50万円の助成金を創設し、10月からスタートさせると発表しました。また、来月中にとりまとめる考えの経済対策について、物価高対策や持続的な賃上げ、国内の投資促進などを盛りこんだ“5本柱”を発表しました。
年収が一定の金額を超えると手取りが減る、いわゆる「年収の壁」の問題について、岸田首相は新たに支援強化パッケージを週内に決定し、10月から実施すると表明しました。
「年収106万円の壁」については、新たに「社会保険適用促進手当」を創設することなどにより、10月から事業主に対して、労働者1人あたり最大で50万円の助成金をスタートさせます。
岸田首相は、また「130万円の壁」について「被用者保険の適用拡大を推進するとともに、次期年金制度改正を社会保障審議会で検討中だ」と述べました。
一方、来月中にとりまとめる考えの経済対策について、岸田首相は対策の“5本柱”を発表しました。
(1)足元の急激な「物価高」から国民生活を守るための対策、(2)地方・中堅中小企業を含めた「持続的賃上げ」「所得向上」と地方の成長の実現、(3)成長力の強化・高度化に対する「国内投資促進」、(4)人口減少を乗り越え、「変化を力にする社会改革」の起動・推進、(5)国土強靱化など「国民の安心・安全」の確保。
「物価高対策」には、ガソリン価格などの負担軽減策などが盛り込まれる見通しです。「持続的な賃上げ対策」と「国内投資の促進」では、27日に新しい資本主義実現会議を開催し、賃上げを行った企業などへの減税制度を強化することや、戦略分野への国内投資の促進、特許などの所得に対する減税制度の創設、またストックオプションの減税措置を充実させることなどについて検討するということです。