東京電力福島第1原発からの処理水海洋放出を巡り、河野太郎消費者担当相(衆院神奈川15区)は25日の閣議後のオンライン会見で、日本産水産物の全面禁輸を決めた中国に対して「全く科学的根拠のない非論理的な対応だ」と批判した。「WHO(世界保健機関)の飲料水基準の何分の1というトリチウム濃度だ」と述べ、安全性を改めて強調した。
一方で、増加している中国からのインバウンド(訪日客)について「日本のすしや刺し身を食べて、帰国して『日本の海産物おいしかったね』という話をしていただけるのではないか」と語った。訪日客向けには、消費者庁が作成した中国語の動画やSNSなどで日本産食品の安全性を発信する考えを示した。
中国は24日、日本産水産物の輸入を同日から全面的に禁止したと発表。これまで福島など10都県の水産物輸入を禁じており、全国に対象地域を拡大する。
政府は同日、中国に対して日本産水産物の全面禁輸を即時撤廃するよう申し入れている。