「岸田首相が緊急入院」中国SNSで処理水巡る“フェイク動画”拡散 都庁は“嫌がらせ電話”に対し「アナウンス作戦」実施、その効果は?

中国のSNS上では、2023年8月末頃から、岸田首相が日本の海産物を食べて食中毒になり、緊急入院したという“フェイク動画”が出回るようになった。 中国のSNSに投稿された動画では、海産物を食べる岸田首相に続いて、ストレッチャーに乗せられた人や、走る救急車の映像が編集されている。さらには中国語で「核汚染水」「海鮮」「中毒」などとも書かれていた。
処理水巡る“フェイク動画”が中国SNSで拡散
福島第一原発の処理水放出をめぐり、中国で拡散している多くの“フェイク動画”。
動画は、岸田総理が8月30日、福島県産のヒラメなどを食べた時の映像などに、全く関係のない病院や救急車などを組み合わせて作成されていた。もちろん岸田首相は、9月4日も元気な様子で、入院したなどの事実はない。
中国のSNSには、さらにこんな動画もあった。千葉県の海岸で撮影されたという亀の死骸に、「海洋放出が始まった8月24日に、核汚染水で死んだ」と書かれている。
FNNは元となった動画を発見。その動画は日本在住の中国人が撮影し、8月27日SNSに投稿したものとみられる。
元の動画は処理水については触れておらず、中国のネット民がこの映像を利用して、処理水と関連付けたとみられている。
“嫌がらせ電話”も…都庁「アナウンス作戦」で対応
処理水の放出をめぐっては、日本の各地に中国の国番号「86」から始まる“嫌がらせの電話”が殺到。東京都庁にも、これまでに3万4000件以上の迷惑電話がかかってきたという。
この事態を受け、都庁では9月1日から、嫌がらせの電話に中国語の自動音声を促す対応を始めた。
その内容では、「あなたはご存じですか?中国の原発の中には、トリチウムの年間処分量が、福島第一原発の約10倍にもなっているものがあります」と答えている。
9月4日、東京都の小池知事がこの「アナウンス作戦」の理由を述べた。 東京都 小池知事: きちっと正しいことをお伝えするというのも一つのあり方かなと思っています。 知事によると、“迷惑電話”は徐々に減りつつあるという。 (「イット!」9月4日放送より)

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