あれ?ガーシー被告は綾野剛に噛みつかず 〝別班〟もいる「最強弁護団」のシナリオ

俳優の綾野剛らへの名誉毀損や暴力行為法違反(常習的脅迫)、強要などの罪に問われた元参院議員のガーシー(東谷義和)被告が19日、東京地裁での初公判で起訴内容を認め、謝罪した。ガーシー被告の弁護団には無罪請負人から凄腕ヤメ検まで、国内屈指の弁護士が集結していることが判明。脅迫の常習性のみを争い執行猶予判決を狙うようだ。
6月の逮捕から約3か月ぶりに表舞台に出てきたガーシー被告は逮捕時の金髪がそのまま伸びた黒髪交じりで、襟付き白シャツに黒ズボン姿。約10キロやせたとみられ、傍聴席から約1年ぶりに本人を見たNHK党の立花孝志氏は「(ガーシー被告は)身長180センチあるのに小さく見えた」と驚いた。
罪状認否でガーシー被告は「3か月間、ずっと罪の償い方を考えてきた。過去はなかったことにならないので、一生をかけて償うつもり。この裁判が最初の謝罪の場になる」と深々と頭を下げた。
昨年2月に暴露系ユーチューバーとして突如現れ、芸能界や政財界を恐怖のドン底に陥れた威勢の良さは消えた。らしくない姿に法曹関係者は「5つの罪がすべて認められれば懲役5年以上もあり得る中で、最も罪が重い常習的脅迫だけは争うことで、なんとか執行猶予付きの判決を勝ち取る狙いでしょう」と指摘する。
この法廷戦術を指南しているのがガーシー被告をサポートする弁護団だ。これまで筆頭弁護士を務める〝令和の無罪請負人〟の異名を持つアトム市川船橋法律事務所の高橋裕樹弁護士以外の陣容は謎のベールに包まれていたが、これまた〝無罪請負人〟の異名を取る若手のホープやヤメ検の凄腕弁護士が弁護団に入っていることが判明した。
「ほかにも複数の弁護士が弁護団に入っていて、それぞれ役割分担が細分化されている。表に出ていない弁護士もいて、弁護士費用だけでも相当な額になるのでは」(同)。情報収集や調整に当たる〝別班〟メンバーも存在するという。
この日は綾野の供述調書が朗読され、「(ガーシー被告の暴露で)精神が崩壊する寸前。暴露行為は自己中心的で狂っている」と厳罰を望むとしたが、弁護側は綾野の主張にも争わない姿勢だ。立花氏は「争えば裁判が長期化して、刑が重くなる。保釈も早くなるだろうと弁護団と決めて話したのだろう」と推測した。
またガーシー被告は保釈時の身元引受人に母親を立てたとして、「80歳になる母親が自分のために一人で東京に引っ越してきた。その母親の気持ちを裏切ることはできない」と訴えた。
ガーシー被告は今年3月に実家に警視庁の家宅捜索が入った際に「おかんだけは勘弁して」と号泣し、母親思いの一面を見せていた。情状証人でも母親が出廷するとみられ、古典的だが〝泣き落とし〟となるのは必至の展開。ほかにも隠し玉を用意している可能性が高い。
審理は来年2月まで2か月に1回のペースで行われ、早ければ春にも一審判決が出るとみられる。

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