「自分みたいな悪党でも良心があった、でもここまできたら『やろう』」青葉真司被告は犯行前の13分、半生を振り返ったという『ガソリン=武富士事件、刃物=秋葉原事件に着想か』【ドキュメント京アニ裁判】

京都アニメーション放火殺人事件の裁判は14日から検察側の被告人質問がはじまった。青葉真司被告が京都に到着してから、放火を実行するまでの経緯について質問が飛ぶ。
検察官「どうしてガソリンなのか?」青葉被告「消費者金融の『武富士』で、ガソリンをまいて亡くなった事件を見て、こういう犯行に及ぼうと」検察官「口座の5万7000円をおろしてるが全財産?」青葉被告「はい」検察官「埼玉から包丁を6本持って行ってる、なぜ持って行った?」青葉被告「秋葉原の殺傷事件に思いがあった。ガソリンを撒いた後、(誰かに)止めに入られるかもしれないので」検察官「秋葉原事件の思いとはなんですか?」青葉被告「20歳超えてから仕事を転々として、共感といいますか(元死刑囚の男に)類似点があった。他人事とは思えなかった」
過去の事件を口に出して、このように話した青葉被告、そして放火実行が近づいていく。
検察官「午前10時30分に犯行した理由は?」青葉被告「朝の出勤時間はみんな立上ってる。昼は夕食で立ち上がってる。午前10時半ごろだとみんな座って作業してるので止めに入られることはないと思った」検察官「第1スタジオに入る前までの14分間、ガソリンをバケツに移し替える時間はどのくらい?」青葉被告「1分くらい」検察官「残り13分は?半生をふりかったのですか?」青葉被告「はい」検察官「犯行前、半生をどのように振り返った?」青葉被告「暗いと考えた。京都アニメーションは光の階段をのぼって、自分の半生は余りにも暗い、コンビニ時代にもがいたが実を結ぶことはなく、終わった」検察官「犯行へのためらいは?」青葉被告「秋葉原事件で、(元死刑囚も)言っていたが、ためらうものです。自分みたいな悪党でも小さな良心があった。でも1999年からの20年間は暗いと考え、ここまできたら『やろう』と思った」
いっぽう、建物に入ってガソリンをまき火をつけた、まさにその瞬間については、午前中の弁護側被告人質問で詳しく聞かれている。
弁護人「入ってからガソリンを撒くまで、見えたものは?」

弁護人「入ってからガソリンを撒くまで、見えたものとかありましたか?」青葉被告「近くに作画かなんかしていた人がいて、奥に2人女性がいて、それで「何、何?」って言っていた記憶があります」弁護人「ガソリンはどう撒いたんですか?」青葉被告「多分、こんな感じで(身振りで伝える)、右手で振り上げる感じで一面に撒いた」弁護人「それから?」青葉被告「すぐに火をつけた記憶があります」「周りの人が『なんだ、なんだ』という動作をしていたと思うんですけど、入って火をつけて出るまで30秒もかかっていないと思うので、周りの人も何やってるのかって感じだったと思いますし、自分も火をつけて即座に逃げたので。」
弁護人「外に出たら?」青葉被告「もう自分に火がついていたと思います」弁護人「火がついていて、どうしましたか?」青葉被告「地面に寝っ転がって消した記憶があります」弁護人「そして?」青葉被告「警察がやってきて、この裁判の冒頭というか一連の流れのなかで出てきたやりとりをやったあとに、救急車に乗せられた記憶があります」
弁護人「当時はどう思っていましたか?」青葉被告「パクったりされていることをやめさせるには、やはりもう事務所というかスタジオ一帯をつぶすくらいのことをしないとだめじゃないかという考えはありました」
弁護人「確認ですが、今回の事件はナンバーツーに対するメッセージということ?」青葉被告「それもあります」弁護人「京都アニメーションも許せなかった?」青葉被告「それもあります」
きょうの被告人質問は午後4時前に閉廷した。

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