漫画家の所ゆきよしさん死去 76歳 毎日新聞の政治漫画38年

38年間にわたり毎日新聞朝刊などに政治漫画を描いてきた、漫画家の所ゆきよし(ところ・ゆきよし、本名・片山喜之=かたやま・よしゆき)さんが16日、胃がんのため死去した。76歳。葬儀は近親者のみで営む。喪主は妻登美子(とみこ)さん。
1947年、名古屋市生まれ。南山大学在学中から地元紙などに風刺画を描き始め、会社員を経て78年に漫画家として独立。政治漫画では「毒をいかにオブラートに包むか」を模索し、「2頭身」の政治家たちが躍動する作風にたどり着いた。85年3月から毎日新聞で連載を始めた。93年に日本文芸家クラブ大賞(美術部門)、2009年には日本漫画家協会賞大賞を受賞した。
政治漫画の毎週の創作スタイルは、掲載2日前の夜に、その週に話題となった事象を基に3案ほどラフスケッチを描き、この中から1案に決定。これを仕上げた作品を朝刊紙面に掲載していた。本紙では、組閣や内閣改造・自民党役員人事などの際、閣僚や政党幹部の似顔絵も担当した。
最近胃がんを患い、闘病しながら創作活動を続け、今月17日朝刊に掲載した漫画が遺作となった。

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