中古車販売大手ビッグモーターに車を売却後に「水没車」と言いがかりをつけられたとして、大阪府八尾市の不動産管理会社が慰謝料など約158万円の損害賠償を求めて大阪地裁に提訴した。21日に第1回口頭弁論があり、ビッグモーター側は請求棄却を求めた。
訴状によると、不動産管理会社は2021年3月、ビッグモーターに570万円でベンツ1台を売却した。引き渡し時にビッグモーターの担当者はエンジンやブレーキなどに不具合がないことを確認していた。ところが7カ月後の同10月、担当者が会社を突然訪ねてきて、「(ベンツが)水没車だったことが判明した」と言いがかりをつけ、買い取り代金の返還を求めてきたという。
会社側は全く身に覚えがなかったため返金を拒否したところ、22年2月、水没車であることを隠したまま車を売却されたとして、ビッグモーターから約597万円の損害賠償を求める訴えを起こされた。訴訟は約6カ月後に取り下げられたものの、会社側は「水没車でないことは明らか。不当な訴訟を起こされ、精神的苦痛を受けた」と主張している。
ビッグモーターは取材に「係争中の案件のため回答は控えさせていただきます」とコメントした。【安元久美子、鈴木拓也】