自社の売上高予想の公表前に知人2人に株の売却を勧めたとして、金融商品取引法違反(取引推奨)罪に問われたアイ・アールジャパンホールディングス(IRJHD)元副社長、栗尾拓滋被告(57)の判決が5日、東京地裁であった。世森ユキコ裁判長は懲役1年6月、執行猶予3年(求刑懲役1年6月)を言い渡した。
世森裁判長は判決で、知人らは計約2200万円の損失を回避しており、「金融商品市場の公正性、健全性や投資家の信頼を害する悪質な犯行と言える」と指摘。栗尾被告について「上場会社の役員という責任ある立場の自覚を欠いていたと言わざるを得ない」と述べた。一方で、起訴内容を認め、役員を辞任したことなどから、執行猶予が相当と判断した。
[時事通信社]