リコールで失職の真鶴町長、出直し選挙には「出馬しない」…住民団体「最後の手段だった」

選挙人名簿を不正利用した神奈川県真鶴町の松本一彦町長(57)のリコール(解職請求)の賛否を問う住民投票が24日、投開票された。賛成が有効投票の過半数を占め、リコールは成立し、松本氏は即日失職した。50日以内に出直し町長選が行われるが、松本氏は「出馬しない」と表明した。
町選挙管理委員会の発表によると、賛成2204票、反対1378票。当日有権者数は6091人で、投票率は59・40%だった。
解職を求める活動を展開した住民団体「真鶴の未来をつくる会」の青木厳会長(75)は「辞めようとはしない町長に対し、リコールは最後の手段だった。町政の混乱を収拾し、未来を担う子どもたちに胸を張れる真鶴町を取り戻したい」と話した。
町職員だった松本氏は2020年9月の町長選で初当選。その後、役場から選挙人名簿を不正に持ち出して選挙運動に使ったことが判明し、21年11月に辞職した。出直し町長選で再選されたが、町が松本氏を公職選挙法違反などの疑いで刑事告発する異例の事態に。この間、職員が相次いで退職し、副町長人事案が議会で2度否決されるなど施策も停滞して町政が混乱した。
◆リコール=有権者が自治体の首長や議員の解職、議会解散などを直接請求できる地方自治法の制度。有権者の3分の1以上(40万人以上は別規定)の署名を集めて選挙管理委員会に請求し、賛否を問う住民投票が行われる。

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