山口県が貴賓車にトヨタの最高級車「センチュリー」を購入したのは違法な公金支出だとして、元県職員が購入費を知事に請求するよう県に求めた住民訴訟について、最高裁第3小法廷(渡辺恵理子裁判長)は4日付で、元職員側の上告を退ける決定をした。購入を適法と判断し、県側の逆転勝訴とした二審広島高裁判決が確定した。
二審判決によると、県はセンチュリー3台を保有していたが、2020年に来県した皇族らに用いる貴賓用に新車を2090万円で購入した。
一審山口地裁は22年11月、センチュリーを貴賓車とする自治体は少ないのに、他の車種を全く検討しなかったと指摘。「知事の裁量権を逸脱しており、地方自治法に違反する行為だ」とし、知事は購入費用を賠償する責任があるとした。
これに対し高裁は23年5月、県では長年センチュリーが貴賓用で使われており、「皇室や外国要人に最大限の敬意を示し、安全な送迎を期するものだった」と判断。購入目的は相当だったとして、元職員側の請求を退けた。
村岡嗣政山口県知事の話 県の主張が認められたものと考えている。今後も、予算や事務事業の適切な執行に努めていく。
[時事通信社]