文部科学省は13日、旧統一教会の解散命令を東京地裁に請求しました。こうした動きに対し、旧統一教会の信者が市民と口論するなど、反発を強めています。今後、何が起きるのか。長く旧統一教会を取材してきた鈴木エイト氏は「内部の動きをみていく必要がある」と警鐘を鳴らしています。
◆信者と市民が口論に
解散命令請求に先立つ今月11日、福岡市の中心部で「解散命令は不当だ」と訴える旧統一教会の信者が、居合わせた市民と口論になりました。
解散命令に賛成する市民
「ただの詐欺集団だあんたらは。あんたらのあれはばれちゃっているんだから、文鮮明が70年前に何をしたか」
旧統一教会の信者
「拉致監禁とか全然報道されていない」
解散命令に賛成する市民
「誰が、拉致監禁?」
旧統一教会の信者
「統一教会の信者を拉致監禁して」
解散命令に賛成する市民
「誰が?」
◆記者に「高額献金、ほかの宗教もやっている」
信者に、解散命令請求の動きと高額献金などによる金銭トラブルについて記者が質問すると。
旧統一教会の信者
「高額献金そのものが悪いわけじゃないです。他の宗教もずっとやってきているわけ。(解散命令の請求は)一言で言うと共産主義勢力の思惑に乗っちゃったということ」
◆教団施設で信者は
旧統一教会の福岡家庭教会には、東京地裁に解散命令を請求した13日も、朝から信者が訪れていました。文部科学省が旧統一教会の解散命令を東京地裁に請求したことをどう受け止めているのでしょうか。
福岡家庭教会 教区総務部長
「はっきりいって残念ですね。最後まで(解散命令請求を)出さないんじゃないかということを信じてきょうまで来たんですけど」
◆市民は「目を覚ましてほしい」
一方、市民はー
「妥当です」
「被害者の人の話聞いていたら当然だと思いますけど、家庭が壊れたり。ただこれからどうなるんですかね、補償とか」
「寄付する金額が半端なくて洗脳される、良くないと思います」
「ほぼ違法な行為だと思うので、そういう団体は早く解散して、信者のみなさまには目を覚まして頂きたいなって感じですね」
◆反対集会を企画する信者「無罪を主張する」
解散命令の請求を受け、旧統一教会側は今後、地方でも様々な動きを見せそうです。旧統一教会の信者らが中心となって活動する福岡の団体は、10月20日、福岡市内で解散命令請求に反対する集会を企画しています。
反対集会を企画している
基本的人権・信教の自由を守る九州の会 高島幸司代表
「解散するということは法的ですね、これは『死刑』ということを意味する。反社会的団体という概念自体が、私にとって驚きですよね」
RKB 記者
Q高額献金をすることによって、家族がかなりつらい目に遭った、そういった事例も出ていますが、そのことについてどのように感じていますか?
基本的人権・信教の自由を守る九州の会 高島幸司代表
「高額献金を喜んでした人もいるし、高額な献金をしたからって死刑に値するのか?言うなれば信仰を失っていた人たちの話しか聞いてないから、『とんでもない悪いことだ』と、こうなるでしょう。有罪だと言われても、無罪を主張しますよね、当然」
◆人権侵害や社会的事件が起こる可能性を指摘
旧統一教会を21年前から取材してきた鈴木エイト氏は、「解散命令請求は大きな区切り」とした上で、旧統一教会の動きについて、今後気をつけてみていく必要があると話します。
鈴木エイト氏
「今後想定されるのが、やはり大量の脱会者が出るんじゃないか。内部の信者の動き、ここを気をつけて見ていかないとそこで重大な人権侵害や社会的な事件が起こる可能性もあるので、これで終わりではなくここから始まる。ここからどういうことが起きるのかということもあらゆる面から見ていきたいと思っています」
解散命令の請求決定を受けて、旧統一教会は12日、「日本政府がこのような重大な決断を下したことは痛恨の極み」「マスコミ報道によって“絶対悪”のモンスターのようにされていました」などとするコメントを出しました。
鈴木エイト氏は、「コメントをみても、対外的な攻撃性を増している」として、こう警鐘を鳴らしました。
鈴木エイト氏
「信者がそういう教団の姿勢にあおられて自分たちは一方的な被害者なんだと自分たちを攻撃してる側を反撃してもいいんだっていうような認識が生まれてくると非常に危険だなと思いますね」