旧統一教会の解散請求=不法行為で初、東京地裁に―被害甚大204億円・文科省

世界平和統一家庭連合(旧統一教会)を巡る問題で、文部科学省は13日、教団の解散命令を東京地裁に請求し、受理された。不安をあおって多額の献金を要求する民法上の不法行為が1980年ごろから継続し、被害は計約204億円に上るなど甚大だと指摘。宗教法人法に基づき、法令に違反して著しく公共の福祉を害し、目的を逸脱したと判断した。
不法行為を根拠とした解散命令請求は初めてで、司法が解散の可否をどのように判断するかが焦点となる。教団側は不法行為は解散要件に該当しないと反論し、全面的に争う構えだ。
東京地裁では、教団への過料について審理している部門が解散命令も担当。非公開で双方から意見を聴く審問を開くなどして審理する。
盛山正仁文部科学相は同日の閣議後記者会見で、今後の審理に向け「万全の対応を取っていきたい」と語った。その上で、解散命令請求まで約40年かかったことについて、「あまりに遅いじゃないかという指摘に対しては返す言葉がない」と述べた。
調査を担った文化庁によると、教団に計約22億円の賠償を命じた民事判決32件を基に事実認定した。教団は遅くとも80年ごろから「先祖の因縁により重大な不利益を被る」などと不安をあおり、不当に高額な献金や物品購入を執拗(しつよう)に迫ったとし、被害は和解や示談も含め約1550人、計約204億円に上った。
平穏な生活を脅かし、目的を逸脱して財産獲得を優先させたと指摘。その上で、不法行為などが教義と関連付けられている▽本部の指示を受けた各教会が関与▽獲得した献金や物品の売り上げが賞罰の対象となっていた▽全国的に画一的方法で、教会を取りまとめる組織の存在がうかがえる―として解散命令の要件に該当すると判断した。
[時事通信社]

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