細田博之衆院議員が13日、衆院議長公邸にて午後2時から記者会見を行い、「議長を退任させていただきたい。任期途中で辞任となり申し訳ない」と議長辞任を正式表明した。辞任理由については「前立腺肥大に影響を及ぼし、ぼうこう内出血が発生した」ことなどを挙げた。
午後1時59分、細田氏は真っすぐスムーズに歩くこともままならない様子でSPが寄り添う形で着席した。旧統一教会との接点が明らかになって以降、一度も会見を行わなかった細田氏は、教団との関係について「そんな問題はございません」と言い切った。教団側の会合に出席してあいさつした回数は計8回だったことが明らかになっているが「特別な関係はございません」と話した。
取材記者も衆院記者クラブなど約40人に制限され、フリージャーナリストなどの参加は原則不可の異例の会見となった。
昨年、週刊文春が報じた女性記者へのセクハラ疑惑に関しては「単なるうわさ話。覚えはない。どうして私がセクハラ議長と言われなければならないのか」とし、「(政権運営に影響があったとは)そういう風には考えていない」との考えを示した。引き続き、裁判で対応していくという。
また、今後については体調不良を抱えながらも「一国会議員として国政に携わっていく」と説明した。
◇細田衆院議長のこれまで
▼22年5月19日 週刊文春が細田氏のセクハラ疑惑を報じる 過去に複数の女性記者に対し「彼氏いるの?」と質問したり「今から(自宅に)来ないか」と言った疑惑が報じられた。
▼同年5月26日 女性記者へのセクハラ疑惑を再び週刊文春が報じたことを受け、細田氏は「強く抗議する。通常国会閉会後、弁護団と協議し、訴訟も視野に入れ検討したい」とコメントを発表。
▼同年9月29日 細田氏が初めて、自身と世界平和統一家庭連合(旧統一教会)側との関係を認める文書を公表。教団側の関与が指摘される議員連盟の名誉会長を務め、関連団体の会合に計4回出席したことや選挙で支持を伝えられたという。
▼同年10月7日 旧統一教会との接点について、衆院議院運営委員会の山口俊一委員長らに議長公邸で補充説明を行った。教団側の会合に出席してあいさつした回数を4回追加して計8回だったことが明らかに。会合に電報を3本送ったことも判明。会見は実施せず。
▼23年1月24日 自民党安倍派の前身である細田派の会長当時、国政選で教団の組織票を差配したかとの質問に「思い当たる事実はない」と完全否定。今後も記者会見は行わない意向を示した。
▼同年7月21日 東京都内の自宅で熱中症の症状を訴え、都内の病院に救急搬送。自ら119番し、命に別条はなかった。