安倍晋三・元首相が奈良市内で銃撃されて死亡した事件で、殺人罪などで起訴された無職山上徹也被告(43)の第1回公判前整理手続きが13日、奈良地裁で行われた。関係者によると、山上被告は出席しなかった。手続きは当初6月に予定されていたが、地裁で不審物騒動があり、延期されていた。
この日の公判前整理手続きは裁判官、検察官、弁護人の3者で非公開で行われ、20分ほどで終了した。参加した弁護人によると、これまでの非公開協議で検察側から開示されている証拠の確認が中心で、争点の整理や公判日程などの協議には至らなかったという。
弁護人は山上被告が出席しなかった理由について「本人から聞いておらず、現時点では分からない」と話した。世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に対する解散命令請求は「被告は拘置所で新聞を読んでおり、これまで興味を示していた。当然関心を持っていると思う」と述べた。
この日、地裁は警備上の理由から、正面玄関以外の出入り口を封鎖し、金属探知機を設置して来所者の手荷物検査を実施した。
6月12日に予定されていた手続きでは、山上被告は参加する意向を関係者に伝えていたが、地裁に当日届いた段ボール箱に金属探知機が反応する騒動があり、延期された。箱に入っていたのは、危険物ではなく、山上被告の刑の減軽を求める署名の束だった。