独自の映像美学で数多くの社会派ドラマを制作した、ドラマ演出家の鶴橋康夫(つるはし・やすお、本名・倉田康夫=くらた・やすお)さんが9日、誤えん性肺炎で死去した。83歳だった。告別式は近親者で済ませた。
新潟県出身。1962年に読売テレビに入社し、日本テレビ系「木曜ゴールデンドラマ」などを舞台に多数の社会派作品を手がけた。
数々の賞に輝き、テレビ界の“賞男”としても知られた。女優の浅丘ルリ子さんと組んで「かげろうの死」など多くの作品を発表し、81年度の芸術選奨文部大臣新人賞を受賞。「刑事たちの夏」で99年度のギャラクシー賞大賞に選ばれた。2004年度の芸術選奨文部科学大臣賞も受賞した。
映画監督としても07年公開の「愛の流刑地」でデビューし、「後妻業の女」「のみとり侍」と、男女の情愛を描き続けた。
07年に紫綬褒章を受章している。