投資名目で違法に資金を集めたとして、埼玉県警は19日、中古品買い取り会社「青柳物販」(さいたま市見沼区)社長の青柳佑侍容疑者(38)(同市北区吉野町)ら男4人を出資法違反(預かり金の禁止)容疑で逮捕した。元本保証などを約束し、34都道府県の延べ約700人から計約12億5000万円を集めていたとみられる。
ほかに逮捕されたのは、いずれも別の会社の役員で、千葉県松戸市松戸の薙野光一(30)、東京都豊島区雑司が谷の 仁田原 竜也(38)、同板橋区若木の須崎雄介(37)の3容疑者。
捜査関係者によると、4人は共謀して2021年1~9月、投資名目で元本保証と配当金の支払いを約束し、東京、愛知、福岡など5都県の30~60歳代の男女5人から計680万円を預かった疑い。青柳物販は財布やバッグなどブランド品の買い取りと販売事業をうたっていたが、実態はなく、埼玉県警は詐欺容疑も視野に全容解明を進める。
端緒となったのは、21年9月、県警に寄せられた「現金が戻ってこない」との相談だった。県警は昨年10月、青柳容疑者の自宅などを捜索して契約書などを押収。4人はオンラインや対面で投資セミナーを繰り返し開いて、同社が中古品で独自の仕入れ・販売ルートを開拓したとPRし、「成功した物販ビジネス」などと事業の成長性を強調していた。勧誘役は青柳容疑者以外の3人が担っていたとみられる。