18日、近畿大学の会見で、剣道部の21歳の男子大学生が、今月5日に同じ剣道部の仲間に暴行を加えけがをさせたとして、逮捕されたことが分かりました。
暴行を受けた男子部員は、くも膜下出血で病院に運ばれましたが、16日に死亡しました。
名門「近大剣道部」で、一体何があったのか。
傷害の疑いで逮捕された21歳大学生の祖父が、「めざまし8」に思いを語りました。
酔った末のふざけあいが“けんか”に発展
事件のあった近畿大学剣道部は、70年の歴史を誇る関西の強豪。
今年4月の学生剣道の関西大会では、男女ともに近畿大学の部員が優勝。今年9月の大会でも、男子が団体優勝を果たすなど、輝かしい実績を残しています。
事件以降、剣道部は活動を自粛しており、11月に行われる全日本大会への出場を辞退しました。
発端は、今月5日。剣道部の3年生3人と2年生3人の6人が開いた飲み会です。 そこには、19歳2人も含まれていたといいます。
近畿大学スポーツ振興センター 石崎重之 事務長: 1時15分ごろ、A(被害者)と他の部員が嘔吐したため6名全員で退店。 1時30分ごろ、6名で帰宅中、A(被害者)とB(容疑者)のふざけあいがエスカレートし、けんかのような状態になる。
近畿大学スポーツ振興センター 石崎重之 事務長: A(被害者)がB(容疑者)を平手打ちした。するとB(容疑者)が怒った様子でA(被害者)を追いかけ、A(被害者)をはたいたか、押したかして、A(被害者)が自転車の方に倒れた。
被害者の部員は、近くに置いてあった自転車に倒れ込んだまま動かなくなり、救急車で搬送されたといいます。
その後、救急車で運ばれた被害者は、意識不明のまま16日に亡くなりました。暴行と死亡の因果関係はわかっていません。
傷害の疑いで逮捕された部員は、少なくとも生ビール2杯、グラスワインを3~4杯、さらに日本酒をおちょこで4~5杯飲んでおり、事件当時は酔った状態だったとみられています。
「一番仲の良い」逮捕された部員の祖父語る2人の関係
部員同士の飲み会の後、なぜ、事件が起きてしまったのか。「めざまし8」は、逮捕された部員の祖父を独自取材しました。
逮捕された剣道部員の祖父: 急なことでびっくりしたんだけども、おとといですか、亡くなられた言うてね。本当に一番仲が良かったらしいんですよ。 しょっちゅう部屋にご飯食べに来て、食べたり、飲んだりしとったらしいんですけど、一番仲いいのにそんなことになって。
被害者と、加害者の2人は「一番仲の良い友人」だったと話す祖父。
――本人の様子は聞いていますか? 逮捕された剣道部員の祖父: おととい亡くなられたということを聞いて、それからずっと泣いている。一番、大学入ってから仲良くしていた子だったので…。
――どんなお孫さんでしたか? 3歳か4歳くらいから剣道ずっとやっとったんでね。剣道しか知らんような子でね。 人に結構慕われてというか、好かれるような人間なんですけども。まさかそんなことあるとは私も思わなかったです。そんなする子でないと思う…やっぱり酒ですね。
突然の孫の逮捕に戸惑いながらも、祖父は最後にこう語りました。
逮捕された剣道部員の祖父: こんなことになったんだからね。罪を償う、それしかないですよね。人生を棒に振るようなあれになるかもしれないけど。それしかないでしょ。 ほんまにね、こんなことなって、相手の方には本当に申し訳ない。
(めざまし8 10月19日放送)