売上7億円超の漫画『小悪魔教師サイコ』作画家・合田蛍冬氏が出版社を提訴 同時期に同一原作の後発漫画が出版されトラブルに

漫画『小悪魔教師サイコ』の作画を担当する・合田蛍冬さんが、同漫画を出版する「ぶんか社」に対して3円の賠償を求める訴訟を提起したことが分かりました。同漫画は電子書籍プラットフォーム「ピッコマ」の年間人気ランキングで3位にランクインするなどの人気作ですが、同時期に別の出版社から同一原作を使った同一タイトルの漫画が出版され、トラブルが発生していました。
●『小悪魔教師サイコ』とは――
三石メガネさん原作の小説『小悪魔教師サイコ』は、「高校教師をいじめで入院に追い込んだ高校生たちにのもとに、美人教師・葛西心春が赴任してくる。しかし実は葛西先生はサイコパスだった」――というストーリー。
e-Storyアプリ「peep(ピープ)」で、タップする度に一口サイズのテキストが表示されるチャット小説形式で連載されて、2021年11月に完結しています。
2021年には合田蛍冬さんが作画を担当したコミカライズ版『小悪魔教師サイコ』がぶんか社から月刊誌で電子配信をスタート。2023年6月までに7億円以上を売り上げる大ヒットとなったほか、電子書籍プラットフォーム「ピッコマ」の年間ランキング「ピッコマ BEST OF 2022」ではマンガ部門の3位にランクインするなど話題作となりました。
●同時期に別の出版社から漫画が出版されトラブルに
2021年11月、『小悪魔教師サイコ』の原作管理会社・「taskey」が、自社展開の前述サイト「peep」にて、「小悪魔教師サイコ」をフルカラー縦読みマンガ化しようとしていることが発覚。
合田版の連載中に別の出版社から同一タイトルの漫画が連載されるとなると「読者が混乱する」と危惧した合田さんは、自身の作品連載を担当するぶんか社に対して「後発漫画の作成は完全NGとしてほしい」と連絡したといいます。
しかしぶんか社側からは、原作管理会社が原作をどう使うは自由で「後発連載が始まることは確定事項」との説明があり、合田さんはやむなく後発漫画が自分の執筆する漫画を模倣して作成されてしまわないかを確認するため、「事前にネームチェックなどはさせてほしい」と要望したといいます。
これを受けて2022年4月にtaskey側からキャラクター表と1~3話のネームが提出されると、多くのシーンで類似点が発覚。
ぶんか社側からも「弊社法務の見解では、合田さんのご指摘点は翻案権侵害が濃厚で、というか、翻案権レベルでもなく、ほぼトレースといえるだろうということです」との見解があり、類似点に関してはtaskeyに対してすべて修正を申し入れるとしました。

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