新「岸田ジャパン」発足……“攻め”と“守り”の戦略は? おきて破りの登用で「思い切った新時代の顔」、最大派閥で不協和音も

第2次岸田再改造内閣が発足しました。女性や初入閣の数が多くなっていますが、おきて破りの登用もあります。留任した6人の顔ぶれを受けて、最大派閥の中では不協和音も生まれつつあります。岸田首相の“攻め”と“守り”の狙いは、どこにあるのでしょうか。
有働由美子キャスター
「第2次岸田再改造内閣の顔ぶれの特徴はいくつかありますが、女性閣僚については改造前の2人から5人に増え、過去最多タイになりました。初入閣については半分以上の11人になりました」
「バスケットでもラグビーでも、どんな戦い方を目指すのかで招集メンバーも変わってきます。今回の『岸田ジャパン』の戦略はどうでしょうか?」
小栗泉・日本テレビ解説委員長
「戦略と言えば“攻め”と“守り”です。“攻め”では『思い切った新時代の顔を作る』ということがあります」
有働キャスター
「確かに初入閣が多かったですよね」
小栗委員長
「ただ、単なる初入閣ではない、いわばおきて破りの登用がありました。2人の子どもを育てるこども政策相の加藤鮎子さん(44)、医師の肩書も持つ地方創生相の自見英子さん(47)はともに40代。当選回数は加藤さんが衆議院で3回、自見さんが参議院で2回です」
「一般的には、衆議院なら当選5回、参議院なら当選3回以上が大臣適齢期と言われますが、2人ともそれに達していません。しかも、役所の政務官や副大臣を経験して大臣に上り詰めるのが一般的とされていますが、2人とも副大臣を経験していません」
「つまり、いわゆる各派閥の入閣候補リストに挙げる待機組ではなく、岸田首相の一本釣りで新時代の顔を作るという“攻め”の姿勢が、ここに表れています」
有働キャスター
「“守り”はどうでしょうか?」
小栗委員長
「留任した6人の顔ぶれを見ると、政権の第一の柱と掲げる経済政策を取り仕切る財務大臣や経産大臣といった内閣の骨格は変えずに、安定感を重視しました。ただこの“守り”の戦略は、“攻め”の力も持っているようです」
有働キャスター
「“守り”が“攻め”になるとは、どういうことですか?」
小栗委員長
「安倍派では経産大臣など、政府や党のポストに就いていた派閥の幹部全員が留任しました。このため安倍派では不協和音が生まれつつあるということです」
「安倍派のある議員は『次世代の議員への入れ替えがなかったことが、派内で不満を生むのではないか。自らのポストを中堅・若手に譲っていたら、派閥幹部の評価は違っていたのに』と本音を話しています」
「次の選挙をにらんだ時に、最大派閥の安倍派の結束が乱れることは、数の上で第4派閥に甘んじている岸田首相にとって、“攻め”の戦略にもつながると言えそうです」
辻愛沙子・クリエイティブディレクター(「news zero」パートナー)
「女性閣僚が増えたり、40代の若手の方を2人登用したりと、岸田さんの意思がはっきりと見えたので、そこは支持できるなと思います」
「一方で、70歳以上の方が7人ということも事実です。本当にどれだけ国民の声に幅広く耳を傾けられる体制なのかは注視していきたいなと思います」
「支持率が下がったので、という場当たり的な改造ではなく、経済対策を含めて進む道をしっかり示して国民に信を問うてほしいです」
(9月13日『news zero』より)

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