“海水から電気をつくる” 廃棄されていた「濃縮海水」で浸透圧発電を実施へ 世界2例目

福岡市にある海水淡水化センターで、真水を作る際に生じこれまで廃棄されていた「濃縮海水」を活用して電気を生み出す「浸透圧発電」が日本で初めて始まります。将来的に通常の海水を使って発電する「夢の技術」への第一歩になるということです。
◆「浸透圧発電」と呼ばれる発電方法
福岡都市圏に水を供給する福岡地区水道企業団は、6日「濃縮海水」を使って「浸透圧発電」を行うと発表しました。日本で初めての試みです。
◆淡水化で生じる「濃縮海水」を活用
福岡地区水道企業団の海水淡水化センターでは、海水を淡水化する際に生じる「濃縮海水」を下水処理水と混ぜて、塩分濃度を下げてから海に放出しています。
◆塩分濃度の差を利用して水車を回す
「浸透圧発電」は、濃縮海水と下水処理水の塩分濃度の差を利用して水車を回し発電するものです。年間の発電量は約88万キロワットアワーでサッカーコート2面分の太陽光パネルの発電量に相当し、太陽光や風力と違い天気に左右されない安定した電源になります。
◆浸透圧発電 世界ではデンマークが実施
浸透圧発電については、デンマークが岩塩層からくみあげた塩水を利用する方法で実施している事例があり、福岡市で始まれば世界で2例目になります。
◆海水から発電する技術の確率へ
福岡地区水道企業団は2025年度中に運用を開始する計画で、将来的には通常の海水を活用して発電する技術の確立を目指すとしています。

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