関東大震災100年で法要=10万人超犠牲、遺族ら祈り

死者・行方不明者が計約10万5000人に上った関東大震災から100年となる1日、東京都慰霊堂(墨田区)で大法要が営まれた。遺族ら計約130人が参列し、犠牲者の冥福を祈った。
東京都の中村倫治副知事は、遺族に哀悼の意を表した上で「関東大震災から100年という節目の年に当たり、改めて私たち一人一人が防災意識を高めなければならない」とする小池百合子知事の追悼の辞を代読した。秋篠宮ご夫妻も参列し、焼香された。
遺族代表として法要に参列した埼玉県春日部市の自営業五関光昭さん(51)は、当時東京にいた曽祖父の弟とその家族の計3人を震災で亡くしたという。「祖父も亡くなれば今自分は生きていなかった。生かされていることに感謝の気持ちを持っている」と話した。
関東大震災は相模湾北西部を震源として1923年9月1日午前11時58分に発生。マグニチュードは7.9と推定され、東京や横浜では建物の倒壊や火災が相次いだ。
慰霊堂は震災から7年後の30年、被害が大きかった陸軍被服廠跡に設けられ、約5万8000人分の遺骨が納められた。戦後に東京大空襲の犠牲者も合祀(ごうし)され、現在は計約16万3000人分の遺骨が納められている。
発生時刻の正午前には鐘が鳴らされ、静かに耳を傾けたり、黙とうをささげたりする人の姿が見られた。
江東区の無職小池正弘さん(81)は22歳で被災したおじの遺体が見つかっておらず、幼い頃から毎年慰霊に訪れているという。「今年でいったん区切りだと思うので、来られて良かった」と感慨深げに語った。足立区のパート秋元紀子さん(46)は「地震はいつ来るか分からない。これからも備えていかなければ」と話した。
[時事通信社]

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