「H2A」47号機打ち上げ成功 「高い信頼性」の面目保つ

日本初の月面着陸を目指す小型実証機「スリム(SLIM)」などを搭載し、日本の主力大型ロケット「H2A」47号機が7日午前8時42分、種子島宇宙センター(鹿児島県南種子町)から打ち上げられた。スリムなど2機を予定の軌道に投入したことが確認され、打ち上げは成功した。
高い信頼性が強みだった日本の宇宙開発は、近年、失敗が相次ぎ信頼性が揺らいでいたが、3度にわたる打ち上げ延期の末の成功により、なんとか面目を保った。
47号機は、打ち上げの約14分後にX線で宇宙を観測する衛星「クリズム(XRISM)」を分離し、約47分後に実証機スリムを月へと向かう軌道に投入した。
スリムは、月面の目標地点に誤差100メートル以内で高精度に着陸することを目指している。打ち上げから3~4カ月後に月の周回軌道に到着し、着陸は4~6カ月後の見通し。成功すれば旧ソ連、米国、中国、インドに続き、日本は5番目の成功国となる。ロシアも8月に挑んだが、失敗した。
クリズムは、国際共同プロジェクトで運用する宇宙の新たな天文台として、銀河の形成や元素の進化など、多様な宇宙の謎の解明に利用される。

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