自転車ロードレース「ツール・ド・北海道」で8日、出場していた男子大学生が乗用車と衝突し死亡した事故で、主催者は19日午後4時から札幌市内で会見を開きました。
(ツール・ド・北海道協会 山本隆幸理事長)「多くの皆様にご心配ご迷惑をおかけしたことをお詫び申し上げます。誠に申し訳ありませんでした」
会見でツール・ド・北海道協会の山本隆幸理事長は陳謝した上で、大会では「原則、片側通行であることを周知していた」と説明しました。
今月8日、自転車ロードレース「ツール・ド・北海道」で起きた選手と乗用車が衝突する事故では、中央大学の男子学生・五十嵐洸太さん(21)が死亡しました。
五十嵐さんは正午ごろ、美瑛から上富良野へと抜ける山道を走行中、カーブで対向車線に出た所で向かいから来た乗用車と正面衝突しました。
警察や関係者によりますと、五十嵐さんは先行していた集団を追い抜こうとしていたか、カーブでスピードを落とさずに曲がろうとした可能性があるということです。
事故が起きたコースは片側一車線を使用。
危険な場所では通行止めにするなど車両の進入規制がされていて、車が侵入した場合でも運営の先導車が呼びかけたりするなど安全が確保される仕組みでした。
大会当日も乗用車が走っていた車線は、運営団体が通行止めにし大会スタッフが警備。
ですがその一方で、ツールド北海道では時間ごとに通行止めとなる区間が決まっていて、捜査関係者によると乗用車は通行止めとなる前に規制区間に入り込んでいたとみられます。
会見でツール・ド・北海道協会は、大会への参加を申し込む段階で、原則片側一車線を走ることを周知していたほか、大会直前の会議でも各チームの監督にルールを伝えていたと説明しました。
車の交通規制が適切に行われていたかについては、「一般的には対向車に気が付けば、隊列の前を走るバイクや車両が、選手が来ることをアピールしている」とした上で、事故当時の状況は「調査中です」と述べるにとどまりました。
ツール・ド・北海道協会はきょう理事会を開き、第三者の識者を含めた検討チームを発足して、今回の事故原因などを調査することを決めました。