任命拒否問題「激動の3年間」 学術会議・梶田隆章会長が退任へ

日本学術会議の梶田隆章会長は25日記者会見し、9月末の退任を前に「激動の3年間だった」と任期を振り返った。新会長を含む次期執行部は10月の総会で選出予定で「今期の議論や考え方も理解いただきながら、引き続きしっかりと対応してほしい」と注文した。
学術会議を巡っては2020年9月、菅義偉首相(当時)が会員候補6人の任命を拒否した問題に端を発し、会員選考や学術会議自体のあり方の見直しを迫られた。同10月に就任した梶田会長は政府との協議と並行して、会員選考方法の見直しなどを主導した。
梶田会長は「大きな変革を迫られる激動の時だった。今までになく学術会議がクローズアップされ、明らかな誤解や曲解を含む多岐にわたる考えが広く寄せられた」と振り返った。22年12月以降は、選考に第三者組織を介在させるなどの法改正案を政府が示すなど、組織形態の見直しが議論の中心になっているが「任命拒否問題の解決が最大の課題と思ってきたが、いまだに解決していない。解決を望んでいる」と新会長らに期待を込めた。【松本光樹】

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