大阪で破綻の医療法人、不適切受給額は6億円 市が返還請求

大阪市福島区の「松本病院」(2022年2月閉院)を運営していた医療法人「友愛会」(21年8月倒産、民事再生手続き中)が診療報酬を不正受給していた問題で、市が生活保護受給者分などを調べたところ、約6億1800万円の不適切受給が判明し、病院側に返還を求めたことを22日、明らかにした。うち5億円以上が未回収という。
友愛会を巡っては、14年2月~17年4月、診療報酬の算定に必要な看護師の人数を水増しするなど虚偽の申請に基づいて約8000万円を不正に受給したとして、厚生労働省近畿厚生局が22年5月に処分を公表していた。加算基準を満たしていないことから、市が同期間に支払われた生活保護受給者の診療報酬や国民健康保険の給付など関係分を調査したところ、約3年間で総額計約6億1800万円の不適切受給が明らかになったという。
友愛会は再生計画に基づいて市への返還を進めており、23年2月に約9300万円を返還したが、市は残る約5億2500万円を回収できていない。市の担当者は「法人は2回目の弁済後に解散すると聞いているが、次の支払時期や金額も分からない。多額の負債を抱えており、全額を回収するのは難しいのではないか」と話した。
友愛会は市から4億9000万円の無担保融資を受け、うち約2億1200万円を返済しないまま経営破綻。現在も2億円あまりが返済されていない。【石川将来】

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