去年、札幌市東区で当時22歳の女子大学生が殺害された事件で、嘱託殺人の罪に問われている男の初公判が開かれました。 SNSの「殺して」という投稿をきっかけに知り合った2人、どう事件にまで発展したのでしょうか?
法廷での小野勇被告の証言(再現) 「正当化するわけでは全くないが、できることなら殺害はしたくなかった」
8月31日、札幌地裁で開かれた初公判で、被告の男は被害者とのやりとりなどを明かしました。 札幌市東区の無職小野勇被告(54)は、去年10月、自宅で、小樽市の女子大学生瀬川結菜さん(当時22)から依頼され、首をしめて窒息死させた嘱託殺人の罪などに問われています。
31日の初公判で、小野被告は起訴状の内容に間違いがないか問われると、「いえ、ありません」と答えました。
弁護側は「嘱託殺人と遺体損壊は、心神耗弱の状態であり、執行猶予が妥当である」と主張しました。
一方、検察側は冒頭陳述で、小野被告はSNSで自殺願望のある若い女性を探し、瀬川さんの「殺して」という投稿に「いいね」を送ったと指摘。 また犯行当日も、駅まで瀬川さんを迎えに行った際、犯行が発覚しないよう瀬川さんに、SNSのやりとりを消去するよう指示したなど、小野被告の責任能力に問題はなく、刑事責任を問えると主張しました。
その後、行われた弁護側の被告人質問で、小野被告は「瀬川さんの、死にたいと願う=希死念慮は強く、正当化するわけでは全くないが、できることなら殺害はしたくなかった」と話しました。 また弁護人から瀬川さんとの会話を問われ、「痛くて、苦しいのは嫌だと言われていた。色々と提案し、睡眠薬を飲ませて、急所を刃物で刺すことになった」と語り、「彼女の死を止められなかったのは僕の弱さ」などと話しました。
次回の裁判は、来月4日に行われ、判決は来月22日に言い渡される予定です。