“ルフィ”の指示伝達…闇バイト強盗で男に懲役12年「実行犯らに主導的役割を果たす」

去年5月に京都市で起きた時計店強盗で、SNSで実行犯を募り“ルフィ”からの詳細な指示を伝えていた男。9月1日、大阪地裁は懲役12年の実刑判決を言い渡しました。 伊藤一輝被告(30)は、いずれも数人と共謀し、▽去年3月に滋賀県大津市の質店に強盗目的で侵入しようとした罪(建造物侵入未遂罪) ▽去年5月に京都市中京区の時計販売店でロレックスの腕時計41点(販売価格約6900万円相当)を奪った罪(強盗罪) ▽同じく去年5月に大阪市浪速区で、パチンコ店従業員から現金を奪おうとしてケガをさせた罪(強盗致傷罪)などに問われていました。 検察側は一連の事件で伊藤被告の役割は、実行役→仕切り役→首謀者へと変化したと主張。検察側は「ルフィとの関係で言えば従属的だが、実行犯との関係で言えば主導的な役割を果たした」などとして懲役15年を求刑していました。 一方で、伊藤被告側は、大津と京都の事件では起訴内容を認めた上で「“ルフィ”の指示に従い、従属的な役割だった」と主張。大阪の強盗傷害事件では、▽最初にインターネットカジノを襲うことを提案したのは確かだが、具体的な計画や指示ではない ▽対象をパチンコ店に変更したのも実行犯が決めたことで共謀は成立しない として無罪を主張していました。 京都の時計店強盗をめぐっては、全国的な連続強盗事件の首謀者とされる今村磨人被告(39)が、“ルフィ”として指示を出していたとして逮捕・起訴されています。 8月21日から大阪地裁で集中的に行われた審理では、▽大津の質店侵入未遂では、ルフィが「伊藤君がボスで動いてもらいます」と被告を現場のリーダーに任命したほか、「5分後突入」など犯行の瞬間もメッセージアプリで指示を出していたこと▽京都の時計店強盗では、ルフィから「人だけでもいいから紹介して」と依頼を受け、伊藤被告がツイッター(現:X)で実行犯を募集。ルフィから犯行の場所や方法、日時など詳しい指示があり、それらを伊藤被告が実行犯らと共有したこと▽いずれの事件もルフィは、“裏で店側とつながっている”という説明を伊藤被告にしていたことなど、証拠調べや被告人質問を通じて伊藤被告とルフィとの詳細なやり取りが明らかになりました。また伊藤被告は、離婚や事業の失敗で経済的・精神的に苦境に立たされ、「1回で高額の報酬を得られれば、“元の場所”に戻れると思った」と、闇バイトを始めた動機についても語っていました。

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