Kentaro Sugiyama
[20日 ロイター] – 岸田文雄首相は20日(日本時間21日)、国連総会出席のため訪れている米ニューヨークで会見し、10月中をめどに総合経済対策を取りまとめ、補正予算案を適切な時期に国会に提出すると述べた。日本経済はいまだ不安定であり「新たなステージに入れるかどうかの正念場」だとし、思い切った経済対策の策定が必要だと訴えた。
岸田首相は日本経済について「2つの点で重要な局面にある」と説明。4─6月期の需給ギャップはわずかにプラスに転じたが「内需はまだ不安定で、主要国の経済の先行きも予断を許さない」と指摘したほか、デフレマインドが支配していた状況から企業がようやく「攻めの姿勢」となってきた動きを加速させる必要があるとの考えを示した。
来週前半に経済対策の柱立てを示し、政府・与党での検討を本格化するという。柱立ての内容は、物価高対応、賃上げと投資拡大の流れの強化、人口減少を乗り越える社会変革、国民の安全・安心になると説明、対策に必要な予算の裏付けとなる補正予算案を「適切な時期に国会に提出することを考えている」と語った。
衆院の解散戦略に関する質問には、新体制を発足させたばかりであり「先送りできない問題について一意専心に取り組んでいく、今はそれ以外のことについて考えていない」と答えた。
東京電力福島第1原発の処理水海洋放出については、国際会議や2国間会談などで丁寧に説明してきたことで「幅広い理解を得てきている」との認識を示した。中国の習近平国家主席との会談の予定は「なんら決まってはいない」ものの、引き続き中国との間では、あらゆるレベルで緊密に意思疎通を図っていきたいと語った。