【東京】防衛省統合幕僚監部は13日、2023年上半期(4~9月)に領空侵犯の恐れがある外国機に対し航空自衛隊の戦闘機が緊急発進(スクランブル)で対応した回数を公表した。総数424回のうち偵察用などの無人機に対する緊急発進は6回で、過去最多だった22年度の8回を上回るペースで推移している。
防衛省によると、23年上半期の無人機に対する緊急発進6回は推定も含めいずれも中国機。東シナ海から沖縄県の与那国島と台湾の間を通過して太平洋へ飛行する事例が多い。
防衛省関係者は「無人化・省人化が国際的な流れ」とした上で「日本の周辺国も無人機による海上監視や偵察活動、情報収集を活発化させている状況がうかがえる」と話した。
上半期の424回のうち対中国機は304回で、前年同期と比べ36回減った。対ロシア機は110回で、15回増えていた。
空自那覇基地(那覇市)に司令部を置く南西航空方面隊の緊急発進が、空自4方面隊の中で最も多い257回だった。