ジャニーズ事務所が事実関係を認めて謝罪会見を開いた、創業者ジャニー喜多川氏(2019年死去)による性加害問題をめぐり、11日、日本弁護士連合会に人権救済を申し立てた「ジャニーズ性加害問題当事者の会」の石丸志門副代表(55)らが求めているのが、国も関与した被害者救済制度の創設だ。
石丸氏は立憲民主党が開いた会合に出席した際、「未曽有の大事件を正当に解決できなければ、第2、第3のジャニー喜多川を生む。性加害にとんでもない代償を支払うことになる世の中をつくるためには、国の関与が絶対必要だ」と強調。これに対し、ネット上では、《当然だろう》《国や行政が再発防止に向けた姿勢を示すべき》などと共感する意見がみられる一方、《いやいや、故人や事務所に責任追及するのは当たり前だが、国に対してはどうなのか》《ちょっと求め過ぎかな》と異論を唱える声も少なくない。
「国の関与」に難色を示す投稿の中には、国や行政は今回の性加害問題とは無関係のような記述もみられるが、果たしてそうなのか。過去の国会質疑を見る限り、警察庁や法務省などもこの問題を“見て見ぬふり”をしたのではないかと疑わざるを得ない。
23年前の国会質疑で問題視されていたジャニー氏の性加害
2000年4月13日の衆院「青少年問題に関する特別委員会」。自民党の阪上善秀氏(2019年死去)は「最も深刻な問題であるジャニー喜多川社長のセクハラ疑惑についてお聞きしたいと思います」と切り出し、こう続けていた。
「報道によれば、ジャニー喜多川社長は、少年たちを自宅やコンサート先のホテルに招いて、いかがわしい行為を繰り返しておるという内容のものであります。なぜ少年たちがこんな行為に耐え忍んでいるかといえば、ジャニー喜多川社長に逆らうと、テレビやコンサートで目立たない場所に立たされたり、デビューに差し支えるからというのであります」
さらに阪上氏は、ジャニーズ事務所に所属していたという少年の母親から独自入手した手紙を読み上げた。
「少し長くなりますが、御紹介をさせていただきます。うちの現在高校2年生の息子も、中3の冬にオーディションに合格し、約1年間ジャニーズジュニアをしていましたが、事務所からのコンタクトがなくなり、自然にやめたような形になりました。ずっと後になって息子から聞いたのは、オーディションに受かってから初めてレッスンに行ったとき、先輩のジュニアから、もしジャニー喜多川さんから、ユー、今夜はホテルに泊まりなさいと言われたとき、多分ホモされるかもしれないけれども、それを断ったら次から呼ばれなくなるから我慢しろと教えられたそうであります」