文通費からの寄附60万円分を不記載 維新・藤田文武幹事長に政治資金規正法違反の疑い

日本維新の会の藤田文武幹事長(42)が、文書通信交通滞在費(現・調査研究広報滞在費)を自身が代表を務める政治団体に寄附していながら、その一部の60万円分を政治団体の政治資金収支報告書に記載していなかったことが、「 週刊文春 」の取材でわかった。藤田氏も事実関係を認めた。政治資金規正法違反(不記載)の疑いがある。
藤田氏は2004年に筑波大学体育専門学群卒業。2011年にスポーツ関連企業「KTAJ」を設立し、代表取締役に就任した。維新政治塾(1期生)修了を経て、2019年の衆院補欠選挙(大阪12区)で初当選。2021年の衆院選で2期目の当選を果たし、党幹事長に就任した。
「“飲みニケーション”が大好きな馬場伸幸代表のお酒によく付き合ってきた。馬場氏に可愛がられていることで、党幹事長に指名されたとも言われています。9月6日の記者会見では、次期衆院選で現職参院議員の擁立が相次いでいることについて、『次の衆院選は結党以来の大勝負になるくらいの戦い』と語っていました」(維新関係者)
「週刊文春」8月3日発売号 では、馬場氏が多額の文通費を自身が代表を務める政党支部に寄附しており、事実上、政治資金の流れが不透明になっている問題などついて報じたが、藤田氏は8月17日の記者会見で「『文通費を公開しましょう』と言って、僕ら公開しています」と述べていた。
その藤田氏を巡り、文通費に関する疑惑が発覚した。党HPによれば、藤田氏は2020年から2021年にかけて、文通費計450万円を、自身が代表・会計責任者を務める政治団体「藤田文武後援会」に寄附している。ところが、「藤田文武後援会」の政治資金収支報告書によれば、2020年から2021年にかけて、「藤田文武」からの寄附は390万円に留まっているのだ。60万円分が記載されておらず、政治資金規正法違反(不記載)の疑いがある。
「事務的なミスにより収支報告への記載が漏れ落ちていた」
藤田氏に事実関係の確認を求めたところ、以下のように回答した。
「ご指摘の点、調査いたしましたところ、2021年3月18日に藤田文武後援会宛に60万円の寄付実績があり、振り込みによる入金及びHPでの文書通信交通滞在費の領収書公開を行なっているところですが、事務的なミスにより収支報告への記載が漏れ落ちていたことを確認しました。早急に大阪府選挙管理委員会の指示を仰ぎ、適切に対処する予定です。ご指摘ありがとうございます」
藤田氏は党幹事長として8月30日付で、所属議員らに対し、馬場氏ら維新議員に関する問題を報じてきた「週刊文春」について党として法的措置を取る準備を進めているとし、個別取材の依頼があった場合は、党(幹事長ら)の許可を得てから対応する旨を指示する通達を出している。今回は、自ら取材に対応する許可を出し、事実関係を認めた格好となった。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2023年9月14日号)

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