福井・あらわ市の温浴施設で、基準値の2300倍のレジオネラ属菌が検出された。過去には死亡例もある有害な菌の大量検出で、施設は営業を休止したが、市には利用者から健康被害を訴える電話相談が少なくとも10件あったという。
過去には感染で死亡した例も…
体にたまった疲れを癒してくれるはずの温泉施設で基準値を超えるレジオネラ属菌が検出された。
福井・あわら市にある温泉施設「セントピアあわら」。
あわら市は26日、この温泉施設の浴槽から、基準値の最大2300倍のレジオネラ属菌が検出されたと発表した。
感染すると、肺炎や発熱などの症状をもたらすレジオネラ属菌。これまでも入浴施設での感染例がたびたび報告されていて、中には死亡したケースもある。
最近では、2022年11月、福岡・筑紫野市の老舗旅館で、週1回以上必要な湯の交換を年2回しか行っておらず、基準値の最大3700倍のレジオネラ属菌が検出された。
「セントピアあわら」のホームページによると、入浴に加え、食事や休憩なども気軽に楽しめる日帰りの温泉施設。広々とした大浴場のほか、サウナも完備している。
原因は”消毒薬を入れる機械”の故障か
なぜ、この施設から基準値を超えるレジオネラ属菌が検出されたのだろうか。
市によると、基準値を超えるレジオネラ属菌が検出されたのは、9月13日。3カ月に一度の水質検査でのことだった。
通常は浴槽へつながる配管の中で消毒されているということだが、配管に消毒薬を入れる機械が故障。それが原因で、基準値を超えるレジオネラ属菌が検出された可能性が浮上している。
現時点では、あわら市には利用者から、発熱やせき、倦怠(けんたい)感などを訴える電話相談が少なくとも10件あったという。
今回の件を受けて、あわら市は文書で「安全性が確保できるまで、当施設の営業を休止いたします」と発表した。
突然の休止に、県外からの利用者からは「せっかく来たのに残念です」、あわら市民からは「(休止になると)どこで入るか考えないとあかん。風呂がないから」といった戸惑いの声が聞かれた。
市は今回の原因について、調査を進めている。 (「イット!」 9月27日放送より)