政府・自民で〝減税潰し〟鈴木財務相や石破元幹事長ら反発、どうする岸田政権 「偽減税」不評で永田町大混乱

財務省が難色、解散念頭の「出来レース」?
政府・自民党内で、国民が期待する「減税」に抵抗する声が上がり始めた。岸田文雄首相が「経済対策」に合わせて表明した減税案は「選挙目当て」「偽減税」などと不評だったが、与野党から具体的な減税プランが示され始めたことを受け、鈴木俊一財務相や自民党の石破茂元幹事長らが一斉に反発したのだ。岸田政権に影響力を持つ財務省の意向を強く感じるが、今後、岸田首相の減税姿勢を演出するための〝出来レース〟という見方もある。解散風が収まらないなか、増税・負担増路線に苦しむ国民に「真の還元」は実現するのか。また、期待外れで終わるのか。

鈴木財務相「十分な財源的裏付けない」
「(消費税は)全世代型社会保障制度を支える重要な財源として位置づけられている」「税率引き下げには極めて慎重な検討が必要だ」
鈴木財務相は6日、閣議後の記者会見で、自民党の「責任ある積極財政を推進する議員連盟」が、消費税率5%への時限的引き下げなどを求める提言を党幹部に手渡したことについて、こう否定的な見解を示した。
松野博一官房長官も同日の記者会見で、同様の認識を示した。
鈴木氏は、岸田首相が今月取りまとめる経済対策をめぐり、「税収増を国民に還元する」と語ったことにも、「十分な財源的な裏付けがあるとは思っていない」と語った。任命権者の意向に逆らうような異様な言動である。
石破元幹事長「目の前の人気取り政策だ」
「後ろから鉄砲を撃つような言動」で知られる石破氏も6日、自身のブログに、与党幹部から相次ぐ減税論について、「安易に減税に走ると将来の財政的自由度が失われ、目の前の人気取り政策と言われても仕方ない」「税収が伸びた分は当面、防衛費や少子化対策にこそ充てるべきだ」と書き込んだ。
石破氏は、財政規律派であり、2018年の自民党総裁選で、経済成長を重視する安倍晋三首相(当時)の「アベノミクス」を修正する政策を打ち出している。
政府・与党から「減税」に抵抗する声が上がったのは、永田町で競い合うように「減税」案が発信されているからだろう。
岸田首相は先月25日に経済対策を発表した際、「物価高に苦しむ国民に『成長の成果』である税収増を適切に還元する」と述べ、「賃上げ企業への減税策」「特許所得などへの減税制度」などの案を示した。ところが、「偽減税」などと喝破され、政権浮揚につながらなかった。
今月22日には、参院徳島・高知と衆院長崎4区の両補選が投開票される。岸田政権の試金石であり、政権浮揚へ内閣支持率アップは急務だ。

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